「絶滅の人類史」 更科功著 を読んで2018年11月12日 19:42

ちょっと息抜き^^   この間読んだ本の感想^^

 NHK出版 「絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか」 更科 功著 

 

 あっ!先に言っとくと、この文章ネタバレになるところもあるかもしれないから、それが嫌な人は見るのは止めといてね(^^;)

 

 人類の誕生っていうか、進化、「そしてヒトが人間(現生人類)になる」ちゅうことに興味があるんだよね。

 「サピエンス全史―文明の構造と人類の幸福 ハラリ,ユヴァル・ノア著」っていう本が売れてるよね。

 更科さんの本書も、生物そして人類の進化の過程を科学的に跡付けた物だけど、私の見る観点はちょっと違うんだよね。要するにかっこよく言うと、個人としての人間の成長と人類の進化を重ね合わせて見たいちゅうことなんだよね。ど素人が偉そうにスマヌ^^;)

 本題に入ろう

 700万年以前の大型類人猿=サル(類人猿)とヒト(人類)の共通の祖先の特徴は・・・。

 ・木の枝や石を(道具として)使って(作ったわけではない)生活 した。

 ・集団で食物を分かち合って生活していた。

 この時点では、大型類人猿も道具を使っていたが、自然物をそのまま使っていただけで、改変はしていないということだ。

 そして700万年前、初期人類=猿人(サヘラントロプス・チャデンシス脳容量350㏄、アルディピテクス・ラミダスなど)とチンパンジー・ゴリラなど類人猿が分岐したということだ。その後、初期人類=猿人は、400万年前頃から、アウストラロピテクス属(脳容量450㏄ほど?)=猿人にとってかわられる。  

 そして人類(猿人)の特徴は

 ・森林の砂漠化で、森林から追い出され、疎林地帯に住む?

 ・直立二足歩行をした。=ヒトとサルの分岐点は直立二足歩行(直立までの中間の時期は相当短期であった)。

 その直立二足歩行成立の理由は、

 ①一夫一婦制下の家族への食糧運搬のため? 

 ②一夫一婦制の集団生活→犬歯が小さくなり、争わない?

 だと書いてある。この理由に関しては、ちょっと検証が必要だと思うけど、まあいいや^^;

 700万年前に、ヒト(人類=猿人)が大型類人猿から分岐したということ。もちろん、ヒト(人類=猿人)であって、ホモ属ではないヒトの一番の特徴は、直立二足歩行をしたということだ。ちなみに、直立二足歩行をしたかどうかは、①大後頭孔という脊髄の通る穴が、頭蓋骨の真下についているかどうか、②骨盤の骨の幅が広く、上下に短いか、③足指の骨が反り返れるように並んでいるか、などでわかるらしい。また、ヒト(人類=猿人)も石や枝などの自然物を道具として使っていたわけであるが、決して道具を作ったわけではない

 そして250万年前頃、原人、ホモ属(ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトゥス=原人)が生まれ、頑丈型猿人(アウストラロピテクス・ボイセイ等)と分岐したということ。原人、ホモ属は、以下の特徴を持っていた。

 ・石器の使用(道具を作った!!) →肉食の開始(死骸などの肉を食べる)

  ・肉食により脳の大きさが格段に拡大(700㏄以上?)

  ・長距離を歩く、走る。

  ・アフリカから世界へ広がる(180万年前頃?いわゆるジャワ原人や北京原人もこれに類するホモ・エレクトゥス)

  ・火を使い始める(100万年前頃から)

 ここで大事なのは、ホモ属によってはじめて道具が作られたということだ。ホモ属は、道具を使い労働することによって、自然を変革し、新たな価値を生み出したということだ。これはつまり、人間個人の成長過程で言うと、0歳でオギャアと生まれたのが、1歳半の節目を超えて、ヒトが人間になったということだ。はじめて道具を使い、外界に働きかけることよって、外界を変えられる存在になったということだ。

 そして、30万年前頃から人類は狩りを始める。それが、狩猟による肉食の開始であり、そのせいでハイデルベルク人(ホモ・ハイデルベルゲンシス)の脳容量は1050㏄まで増えたということだ。

 そして30万年前頃、ハイデルベルク人からネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)=旧人?とホモ・サピエンス(現生人類)が分岐する。よく感想である、「ネアンデルタール人からホモ・サピエンス(現生人類)が進化したんじゃないんだね。」ちゅうことだけど、現在の科学の検証をもってすれば当たり前だよね^^;。

 また他にも、分岐した人類として、フローレンス人(ホモ・フロレシエンシス)やデニソワ人(デニソワ人については、ホモ・サピエンスの亜種であるという説もある)、そして謎の人類がいることがDNA解析でわかっているが、これについては、触れるとややこしくなるので、触れないことにする。

 20万年前頃から?いわゆる旧人、ネアンデルタール人が欧州で隆盛を誇る。

ネアンデルタール人の特徴

 ・人類最大の脳(1550CC、ホモ・サピエンスより大きい)。

 ・身長は160㎝ほど(男は165㎝80㎏)。がっしりしている。白色・体毛濃く、寒冷地に適応。

 ・言語を話した(推定)。

 ・複合道具を作り、集団で、狩りをした。

 そして、4万年前に滅亡するまで、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは、地域を隔て25万年ほど長く共存していた。新人、ホモ・サピエンスのヨーロッパ進出はおよそ4万3千年前。欧州では、約3000年間は同一地域で共存していて、一部では種(亜種?)の交雑もあったことになる。ネアンデルタール人のDNAが現生人類のDNAの中に残されているのだ。ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を絶滅させたのか?どうしてそのようなことができたのか?

 *現生人類(新人) ホモ・サピエンスの特徴は?

 ・細くきゃしゃな体。→体力の消耗は少ない。

 ・縫う技術を持ち、しっかりした毛皮を着ていた?

 ・雑食で、何でも食べられる。

 ・多産であり、子どもを個人でなく、家族あるいは社会で育てる。

 そして、アフリカにいたホモ・サピエンスは世界のあらゆるところに進出していった。また、投槍器などの狩猟技術を持っていて、欧州では、ネアンデルタール人より食料の確保という点で優位に立ったのではないか?ということだ。また、言語による意思疎通があり、集団での狩猟や生活という点に関しても優位な点があった。そしてあとは、温暖化後の寒冷化など自然環境の変化=偶然の要素もあって、4万年前にはネアンデルタール人が絶滅したのだ。

 ひょっとしたら条件次第では、現生人類(ホモ・サピエンス)と現在でも共生していたかもしれないネアンデルタール人なのだった。

 ちなみにクロマニョン人は、南フランスのクロマニョンの岩陰遺跡から発掘された化石現生人類である。3万5000~1万年前に生息していたホモ・サピエンスである。

 私たち現生人類が今こうしてあるのも、言ってみれば偶然の産物でもある。ネアンデルタール人と共生していたかもしれないのだ。現生人類の独りよがり、傲慢は許されないのだ。

 それにしても、人類史を、人間の個の成長過程と重ね合わせて見ると面白い

 よく、人間の胎内での成長過程は、生物の進化過程とダブっていると言われるが、実は、胎内だけでなく生まれてからもそうなのではないか?創世記の人類の進化の歴史は、生まれたての赤ちゃんが「ヒトから人間になる」成長過程とダブっているのではないか?

 ついそんなことを考えてしまうのだ。

 って、ちょっと書くつもりが長くなっちゃった^^;

 息抜きになっていないってば^^;

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